クサネム(草合歓)
<学名:Aeschynomene indica L.>
マメ科 クサネム属 一年草
<学名:Aeschynomene indica L.>
マメ科 クサネム属 一年草
北海道から九州まで全国の水田や河川敷、沼沢地などに広くみられる1年草。
草丈は50cm~1mぐらい、茎は直立して、上部は中空、太くて柔らかく、
分枝するものもある。
分枝するものもある。
葉は偶数羽状複葉で互生、小葉は20~30対と多数。軟かく長さ6~10mm
程度、裏面は白色を帯びる。ネムノキと同様に睡眠運動を行い、強風、
夜間は葉を閉じます。
花期7~10月。葉の脇から短い花序を出し、2~3個の蝶形花をつける。
花は淡黄色で長さ約1cm、旗弁の基部に赤褐色の斑点がある。
花は淡黄色で長さ約1cm、旗弁の基部に赤褐色の斑点がある。
萼は基部近くまで2裂する。苞は托葉状で萼の基部に小苞がある。
日が当たると開花し夕方は早めに閉じる。
豆果(節果)は広線形、長さ3~5cm
側面にしわがあり、4~8個の
小節果に分かる。
小節果に分かる。
空気を含んでいて水に浮き、川などの流れに乗って
分布を広げます。
分布を広げます。
種子は米粒大で黒色。
名前は草本であり葉がネムノキに似ていることに由来。
~ 水 田 の 厄 介 な 雑 草 ~
水田で生育したクサネムは、稲刈りのころには茎が硬くなり作業の
妨げとなる。また、黒褐色の種子は大きさ形が米粒と似ているため、
米に混入すると分けづらく、米の等級を落としたりするため
水田ではとても厄介な雑草です。
種子は、湛水条件下(水がたまった状態)では発芽しないが、
湿潤条件では土中8cmからでも発生する。
湿潤条件では土中8cmからでも発生する。
発芽したクサネム
莢の中の種子が水面に浮上して発芽し、根を伸ばして定着する。
このような発芽特性のため、水田では畦沿いや中干し期間に発生しやすい。
硬実種子であり発芽がバラバラで、土中での寿命も長く発芽期間が長い。
このような発芽特性のため、水田では畦沿いや中干し期間に発生しやすい。
硬実種子であり発芽がバラバラで、土中での寿命も長く発芽期間が長い。
黒色の種子は玄米に混入すると除去が困難で、これを炊飯すると
飯が黒色になるため問題となります。
~収斂(しゅうれん)進化~
明らかに類縁関係の遠い生物間で、妙に似通った姿、あるいは
似通った器官を持つ場合がある。
「異なるグループの生物が、系統に関わらず外見的特徴が似通った姿に
進化する現象」を収斂進化といいます。
クサネムとカワラケツメイ、草姿は良く似ています。
クサネムの花は蝶形花
カワラケツメイは蝶形花ではない5弁花である。
またクサネムの豆果は垂れ下がるのに対し、
カワラケツメイの果実は上を向く。
クサネムの花は蝶形花
カワラケツメイは蝶形花ではない5弁花である。
またクサネムの豆果は垂れ下がるのに対し、
カワラケツメイの果実は上を向く。
花期や結実期以外は見ただけで両種を判別することが難しいくらい
よく似た草姿をしていて、別属の植物なので収斂進化といえると思われます。
よく似た草姿をしていて、別属の植物なので収斂進化といえると思われます。
おまけでもう一つ 収斂進化の例 をあげときます。水生植物ですが
スイレン<Nymphaea spp. >スイレン科スイレン属
アサザ<Nymphoides peltata (S.G.Gmel.) Kuntze>ミツガシワ科アサザ属
科が違うのに葉の姿がよく似ていますね。
水性という環境に適応する形が似たような形に進化したのでしょうね。